放射線診断物理学は範囲が広く、その割に深い部分まで聞いてくるのでしっかりと対策をしないと点数を稼げません。
また、臨床を経験してない人にとっては苦労する科目です。
今回は、そんな放射線診断物理学の対策として、最近よく出る問題を中心に効率よく勉強を進めていけるようにまとめてみました。
この記事を読んでほしい人
・放射線診断物理学を効率よく勉強してい人
・臨床経験がなく不安な人
・放射線診断物理学のオススメの教科書を知りたい人
重要度の概要
☆☆☆
試験に頻繁にでるもの。必ず覚えるべき
☆☆
1~2回程度出題されていて、覚えた方がよいもの
☆
たまに出るもの。
医学物理士試験の放射線診断物理学対策
重要度☆☆☆
X線管球について
MRIのアーチファクトと対策について
モーションアーチファクト
・体動によりぶれたような画像
・位相エンコード方向に生じる
・対策:呼吸同期、飽和パルスの印加
フローアーチファクト
・拍動性の血流により、画像の広い範囲に縞が入る
・対策:飽和パルスの印加、信号加算回数の増加
折り返し(エリアシング)アーチファクト
・撮像範囲外の部分が、本来あるべき方向と反対側から画像に入り込む
・対策:表面コイルの使用、FOVを大きくする、位相方向の過剰サンプリング
打ち切りアーチファクト
・鮮明な境界周囲にさざ波状の縞が入る
・対策:周波数及び位相エンコード数を増やす、FOVを小さくする
化学シフトアーチファクト
・特定臓器、組織の像が周波数エンコード方向にずれて描出
・脂肪に富んだ部位に発生
・対策:静磁場強度を下げる、バンド幅を広げる、脂肪抑制を併用
クロストークアーチファクト
・隣り合うスライス間で起こる干渉で生じる
・対策:スライス間隔を十分にとる、SNRを増加させる
磁化率アーチファクト
・磁化率効果により信号強度に変化が生じる
・対策:TE短縮、TR短縮、SNR低減、薄いスライス厚、小さいピクセルサイズ、スピンエコーの併用、広い帯域幅
ゴーストアーチファクト
・大動脈などの周期的な動きによるアーチファクト
・対策:TRを長くする、位相エンコード数を増やす、加算回数を増やす
重要度☆☆
超音波診断装置について
超音波診断装置の構成
超音波画像の表示
MRIのパラメーター決定因子について
診断用X線
重要度☆
グリッドについて
グリッドの特性
・散乱線を除去し、コントラストを改善する目的に使用
・グリッド比が大きいと、散乱線除去率が大きい
・形式にはブッキーブレンデ(移動型)とリスホルムブレンデ(静止型)がある
・スペーサにはAl、木、カーボン、空気などが使用される
※グレーデル効果(エアギャップ効果)
→被写体‐受光系距離が大きいほど受光系への散乱線の入射が減少する効果
グリッドに関する用語
グリッド比:グリッド中心部における鉛箔の高さと間隔の比グリッド密度=1/(D+d)
グリッド比=h/D
D:鉛箔の間隔、d:鉛箔の厚さ、h
コントラスト改善度=TP/Tt
露出倍数=1/Tt
イメージ改善度=TP2/Tt
1次X線透過率TP=IP’/IP
全X線透過率Tt=It’/It
散乱X線透過率TS=(It’-IP’)/(It-IP)
散乱X線含有率=IS’/It’×100(%)
IP:グリッドに入射する一次X線の強度
IS:グリッドに入射する散乱X線の強度
It:グリッドに入射する全X線の強度
IP’: グリッドを透過する一次X線の強度
IS’: グリッドを透過する散乱X線の強度
It’: グリッドを透過する全X線の強度
マンモグラフィの品質管理
X線装置とシステムの評価を1年ごとに行う
それぞれの評価項目は以下の通りです
医学物理士試験の放射線診断物理学を学ぶときにおススメの教科書
放射線診断物理学の教科書は結局何がいいの?
実際に放射線診断物理学はCTやMRI、一般撮影など範囲が広いです。
しかし、CTは得意だからMRIだけ補強したい。など、一部だけを詳しく知りたい人におススメの教科書は
一目でわかるMRI超ベーシック (日本語) 単行本 – 2017/1/30
一目でわかるMRI超ベーシック [ キャサリン・ウェストブルック ]
CT super basic (日本語)
CTとMRIはそれぞれ以上の教科書をオススメします。
全体的に学びたい場合は、
放射線診断物理学 (医学物理学教科書) (日本語) 単行本 – 2017/3/31
放射線診断物理学 (医学物理学教科書シリーズ) [ 松本政雄 ]
をオススメします。
ご自身の予算と理解度を考慮したうえで選ぶとよいでしょう。
医学物理士試験の放射線診断物理学につまずいてる人へ
範囲は広いけど、頻出問題もあるのでそこはしっかりと取るようにしましょう
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