医学物理士試験対策~放射線防護学~ オススメ教科書もご紹介

医学物理士

放射線防護学は覚えてしまえば得点を落としづらい科目です。

その代わり周りの受験者も同じように得点を稼げる科目でもあるので、ここではケアレスミスを少なくしてしっかりと得点したいところです。

今回は放射線防護学で、しっかりと点数を取れるように頻出問題を中心にまとめてます。

 

足元を固めて、しっかりと点数を稼いでいこう!

医学物理士試験合格に必要な勉強量・勉強法

 

この記事を読んでほしい人

・放射線防護学で点数をしっかりとりたい人
・ほかの受験者と差を付けられたくない人
・放射線防護学のオススメの教科書を知りたい人

 

重要度の概要

☆☆☆
試験に頻繁にでるもの。必ず覚えるべき

☆☆
1~2回程度出題されていて、覚えた方がよいもの


たまに出るもの。

重要度☆☆☆

・ICRP勧告の線量限度について
・確率的影響と確定的影響

重要度☆☆

・組織荷重計数について
・診断参考レベルについて

重要度☆

・医療被曝について
・自然放射線について
・関連組織と機関について

 

医学物理士試験の放射線防護学対策

 

重要度☆☆☆

 

ICRP勧告の線量限度について

 

2007年勧告に基づく防護基準

 

職業被ばく

職業被ばくとは
・放射線従事者が放射線を取り扱うときにより受ける被ばく

職業被ばくの線量限度を下の表にまとめたよ

 

線量限度
職業被ばく 5年間の平均20mSv/年
眼の水晶体 150mSv/年
皮膚 500mSv/年
手足 500mSv/年
妊娠女性 胚・胎児に対して1mSv

 

公衆被ばく

公衆被ばくとは
・一般公衆が日常生活の中で受ける被ばく
・通常の局地的な自然バックグラウンド放射線を除く

公衆被ばくについても下の表にまとめたよ

線量限度
公衆被ばく 年間1mSv
眼の水晶体 15mSv/年
皮膚 50mSv/年

 

2012年のICRP118の勧告

・目の水晶体では、吸収線量の閾値は0.5Gyと考えられている
・職業被ばくでは眼の水晶体の等価線量限度は5年平均年間20mSv、年最大50mSv
・心臓や脳の循環器疾患のしきい線量は0.5Gy程度と低いことを認識するべし

 

確率的影響と確定的影響

 

確定的影響

・しきい線量があり、障害の重篤度は線量の増加とともに増加

確定的影響の閾値の推定値をそれぞれ表にまとめてみたよ

 

 

組織への被ばく

 

影響 線量 影響 線量
一時不妊(男) 0.15Gy 検知可能な水晶体の白濁 0.5-2Gy
永久不妊(男) 3.5-6Gy 白内障 2Gy
一時不妊(女) 0.65-1.5Gy 脱毛 3Gy
永久不妊(女) 2.5-6Gy 皮膚の紅斑 3Gy

 

胎児期の被ばく

 

影響 線量 影響 線量
胎児奇形 0.1Gy 精神遅滞 0.2Gy
発育遅延 0.5-1Gy

 

 

全身被ばく後の死亡

 

影響 全身吸収線量 被ばく後の死亡時期
骨髄損傷 3-5Gy 30-60日
胃腸管損傷 5-15Gy 7-20日
肺および腎臓損傷 5-15Gy 60-150日
神経系の損傷 >15Gy 5日未満

 

 

確率的影響

・しきい線量なし
・線量が増加しても障害の重篤度は変化しない
・主な傷害はガン、遺伝的影響

 

関連するキーワード

 

LNTモデル

・放射線の影響にはしきい線量がなく、低線量で線量と影響の関係が直線的であるといったモデル
・100mSv以下では、影響の有無ははっきりしていない

 

DDREF

・高線量・高線量率での効果が低線量・低線量率では回復作用によりどの程度まで低減されるかを表す指標
ICRPでは2を採用
・名目リスク係数導出に用いられている

 

 

重要度☆☆

 

組織荷重係数について

 

組織荷重係数

・身体への均一照射の結果生じた損害全体に対する組織の相対的寄与を表している
・名目リスク係数に基づく
・実効線量は組織荷重計数を考慮して算出される

2007年のICRP103で示された組織荷重係数を表にまとめたよ

 

組織 係数
骨髄・結腸・肺・胃・乳房 0.6
生殖腺 0.08
膀胱・肝・食道・甲状腺 0.04
骨表面・脳・唾液腺・皮膚 0.01
残りの組織 合計で0.12

 

※残りの組織とは

副腎、胸郭外気管、胆嚢、心臓、腎臓、リンパ腺、筋組織、口腔粘膜、膵臓、前立腺、小腸、脾臓、胸腺、子宮、子宮頸部

 

 

診断参考レベルについて

 

診断参考レベルとは

・放射線診断において、その値を超えた場合は線量を下げることを検討すべきであるとされる目安
・国、地域ごとに標準体格の患者に対する典型的な値を調査し、75パーセンタイル値に設定するのが基本。

各モダリティに用いられている量と単位は以下の通りだよ

 

モダリティ 単位
CT CTDIvol mGy
DLP mGy・cm
一般X線撮影 入社表面線量(ESD) mGy
マンモグラフィ 平均乳腺線量 mGy
口内法X線撮影 患者入射線量(PED) mGy
IVR 透視線量率 mGy/min
核医学 実投与量 MBq

 

類似の概念

 

達成可能線量(AD)

・線量分布の50パーセンタイル値として設定
・米国放射線防護審議会(NCRP)が推奨

 

診断参考レンジ(DRR)

・診断的価値のある画質が得られない可能性も考慮し、上方値と下方値の双方を設定
・25~75パーセンタイルの値として設定

 

重要度☆

 

医療被曝について

 

医療被曝には下記のものが該当する

・診断や治療のために、患者本人、付き添いの介助の人が受ける被ばく
・医学研究のボランティアが受ける被ばく

 

 

世界の人が年間で被ばくする線量の平均は下のグラフのとおり

 

・1人当たり年間平均0.6mSv
・世界的に増加傾向にある
・成人の介助者の線量拘束値は1事例あたり5mSv
・診断ではCT:2.3mSv、一般X線撮影:1.5mSv、核医学:0.034mSv

 

自然放射線について

 

日本においての自然放射線の内訳は下の円グラフのとおり

 

 

・世界平均は2.4mSv、日本では約2.1mSv
・吸入による内部被ばくは主にラドン
・体内の自然放射線物質は40K
・宇宙線の9割は陽子1個でできた水素原子核

 

関連組織と機関について

 

ICRU(国際放射線単位測定委員会)

・放射線及び放射能の量と単位の作成
・放射線医学や工業利用における計測と適正な手順の作成

 

ICRP(国際放射線防護委員会)

・放射線防護体系を勧告

 

UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)

・放射線の影響に関する科学的知見とデータの集約

 

IAEA(国際原子力機関)

・原子力の平和利用と、軍事利用への転用防止
・ICRP勧告の防護体系を基に国際安全基準を策定
・INFS(国際原子力事象評価尺度)とBSS(国際基本安全基準)をもつ

医学物理士試験の放射線防護学を学ぶときにおススメの教科書

放射線防護って結局ネットで調べないといけないの?
なんかいい教科書ないかな?

そんな人のオススメするのは

医学物理学教科書シリーズ:医療放射線防護学


医学物理学教科書シリーズ:医療放射線防護学 [ 赤羽惠一 ]

言わずと知れた医学物理学教科書シリーズの放射線防護学の教科書がオススメです。

こちらをオススメする理由としては、ほかの教科書は情報が古かったり、欲しい情報が載ってないといったことがありますが、こちらの教科書はその不満をしっかり解消してくれます。

 

防護学に関しては、これ一冊で十分だね

医学物理士試験の放射線防護学につまずいてる人へ

放射線防護学は、得点源の一つです。

その代わりほかの受験者もしっかり得点してくるので、差を付けられないようにすることが大事です。

また、記述試験にも含まれる科目なので、


医学物理学教科書シリーズ:医療放射線防護学

医学物理学教科書シリーズ:医療放射線防護学

 

に一通り目を通しておくと、記述試験対策も兼ねられるので安心です。

 

ここではケアレスミスを少なくして、しっかり得点源にしていこう

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