医学物理士試験において放射線治療の分野はマーク式、記述式両方に出題され、重要な科目の一つです。
また、放射線治療物理学は医学物理士になってから使う人も多い科目です。
ただ、まだ臨床を経験していない人にとってはどこから勉強すればいいのか迷うところです
今回はそんな放射線治療物理学をよく出る問題を中心にまとめました。
この記事を読んでほしい人
・治療物理学をどう勉強すればいいか迷っている人
・臨床経験がなく治療の勉強が進まない人
・放射線治療物理学のオススメの教科書を知りたい人
重要度の概要
☆☆☆
試験に頻繁にでるもの。必ず覚えるべき
☆☆
1~2回程度出題されていて、覚えた方がよいもの
☆
たまに出るもの。
医学物理士試験の放射線治療物理学対策
重要度☆☆☆
リニアック装置の構造
マイクロ波発生装置
加速管
※加速管に入射する電子ビームのエネルギーは約10~70kV
X線照射時のノズル内の順序
①ターゲット
②プライマリーコリメータ
③フラットニングフィルタ
④イオンチェンバー
⑤二次コリメーター
電子線照射時のノズル内の順序
①プライマリーコリメータ
②スキャッタリングフォイル
③イオンチェンバー
④2次コリメーター
⑤電子線アプリケータ
MLC
・腫瘍形状に合わせた照射野をつくる
・Jawの代わりに用いられることもある
MLCの関連用語
線量分布の取得法について
重要度☆☆
治療用密封小線源の種類
線源 | 半減期 | 平均エネルギー |
Co-60 | 5.3年 | 1.25MeV |
Ir-192 | 74日 | 361keV |
Cs-137 | 30年 | 662keV |
I-125 | 59.4日 | 28keV |
Pd-103 | 17日 | 21keV |
Au-198 | 2.7日 | 416keV |
Ra-226 | 1620日 | 0.18-2.2MeV |
使用目的
使用目的 | 線源 |
胆管(胆道)がんの腔内照射 | Ir-192 |
子宮頸がんの腔内照射 | Co-60 |
前立腺がんの組織内照射 | I-125 |
歯肉がんや硬口蓋がんのモールド法 | Au-198 |
舌癌、口腔底癌、頬粘膜癌の組織内照射 | Cs-137,Au-198 |
線量率による分類
線源 | |
高線量率(12Gy/h以上) | Iu-192,Co-60 |
中線量率(2-12Gy/h) | Cs-137 |
低線量率(0.4-2Gy/h) | I-125,Pd-103 |
ここではよく出る小線源や実際に過去出題された分類についてまとめたよ
粒子線治療について
照射野形成法
横方向
・ワブラー法:電磁石によってビーム軌道を変化させて散乱体を通過させ、散乱させることによって照射野を広げる
・コリメータを用いて形状を腫瘍に合わせる
深さ方向
・リッジフィルタまたはレンジモジュレーターを用いて拡大ブラッグピークを作る
・ボーラスを用いてビーム末端の形状を腫瘍に合わせる
①第一散乱体(陽子線を広げる)
②occluding ring(中心部を遮蔽)
③第二散乱体(平坦な部分を作る)
④ファインディングレーダー(エネルギーの微調整)
⑤リッジフィルタ(実効エネルギーの調整)
⑥コリメータ(がんの形状に合わせる)
⑦ボーラス(線量分布の調整)
重要度☆
IMRTについて
関連用語
医学物理士試験の放射線治療物理学を学ぶときにおススメの教科書
放射線治療の教科書って専門的過ぎて難しいよね
頭に入りにくいんだよなー
医学物理士試験の対策に使用する教科書と、実際に臨床で必要になってくる教科書は違います。
職場の先輩におススメの教科書を聞いたら、全く思ったのと違った経験があると思います。
そんな方にお勧めする教科書は
放射線治療基礎知識図解ノート
放射線治療基礎知識図解ノート 図,表,画像が満載!要点がわかる! [ 磯辺智範 ]
別記事の 医学物理士・放射線技師におススメの放射線治療の教科書3選
でも紹介してますが、こちらの教科書をオススメします。
オススメする理由としては
実際に治療に携わるようになってから、医学物理士試験を経て今でもたまに確認がてら見ることもある教科書だよ
長く使えるのも考えると費用対効果がバツグンだね
医学物理士試験の放射線診断物理学につまずいてる人へ
医学物理士試験の放射線治療物理学は記述試験にも出るのでしっかりと対策していかなけらばいけません。
少しでも効率よく、知識を増やしていかないと試験に間に合いません。
そのためにも変に教科書選びや過去問の答え探しで時間を取られないように、今回の記事では頻出問題についてまとめ、おススメの教科書も紹介させていただきました。
働くことになってからも関係してくる分野だから頑張っていきましょう。
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