臨床で働くようになり、放射線治療に携わることになったら皆さんは何かしら教科書を買って勉強するでしょう。
しかし、放射線治療の教科書は種類が多く、何を選べばいいか迷うと思います。
買ってみたら、腫瘍医向けだったり看護師向けだったり・・・
今回は、初級者にもおススメな教科書を紹介していきます。
医学物理士試験を受験する人向けのおススメのテキストについては下記の記事にて紹介しています。
この記事を読んでほしい人
・初めて放射線治療に携わることになった人
・内容が数字や式だけでないわかりやすい教科書を求めている人
・放射線治療の教科書、何を買えばいいか迷っている人
・病院に就職したばかりの医学物理士の方
放射線治療 基礎知識図解ノート (初級者向け)
図が多く頭に入りやすい
まず初めて放射線治療に携わる人に読んでほしい教科書です。
内容はタイトル通り、図や写真がふんだんに使われておりとても理解しやすくなっています。
かといって、図や写真ばかりで内容が薄いといった心配もなく、放射線治療の基礎から少し踏み込んだ部分までしっかりと網羅されている一冊です。
人に教える立場の人にもおススメ
教えるのが下手な人の特徴として
教えるのが苦手な人や、そういった方から指導を受けている人にもおススメの一冊です。
この教科書は、放射線治療の基礎から照射法や計画といった臨床知識、校正に必要な知識や放射線生物学までしっかりとしたわかりやすい言葉で解説されています。
分かってはいるんだけど、どうしても後輩や学生に言葉で説明するのが苦手といった人にも読んでほしい教科書です。
放射線治療基礎知識図解ノート 図,表,画像が満載!要点がわかる! [ 磯辺智範 ]
詳説 放射線治療の精度管理と測定技術 (中級者向け)
この教科書は、ある程度基礎知識が身についた方や、精度管理に携わる医学物理士や品質管理士の方におススメの教科書です。
詳説 放射線治療の精度管理と測定技術―高精度放射線治療に対応した実践Q&A
実際に働いている人の疑問を解説してくれている
この教科書のいいところは、働いていて疑問に思うことを
といった形式でわかりやすく、さらに読みやすくまとめられている点です。
また、精度管理の詳細なやり方が日常点検や毎月、毎年の点検から呼吸動機やMLCの精度管理に至るまで多岐にわたって網羅されているので、職場に一冊置いておいた方がいい教科書です。
精度管理を行う医学物理士や品質管理士に特に読んでほしい
放射線治療の業務の一つに、機器の精度管理がありこれは実際の照射と同じくらい重要な業務です。
その精度管理を主に行うのが、医学物理士や品質管理士となっています。
精度管理を行っていて直面する問題や疑問についてまとめられている教科書のため、実際に働いていてつまずいたときなどに、これを見るだけで大抵のことは解決できるようになっています。
実際に自分も精度管理や測定でつまずいたときや、不安な時にすぐに調べられるように側に教科書を置いています。
詳説放射線治療の精度管理と測定技術 高精度放射線治療に対応した実践Q&A [ 黒岡将彦 ]
詳説 強度変調放射線治療 (中~上級者向け)
これは、先ほど紹介した「詳説 放射線治療の精度管理と測定技術」のIMRTやVMATをおこなっている施設向けの教科書となっています。
計画から線量検証まで一通りまとまっている
・臨床導入
・治療計画
・線量検証
この教科書はIMRTやVMATの上記のような一通りの流れの中でつまずきやすい点や疑問に思う点についてまとまっている一冊です。
IMRTをやっていない施設の方にも読んでほしい
先ほど紹介した「詳説 放射線治療の精度管理と測定技術」が治療装置の点検や精度管理を主に説明していたのに対し、こちらの教科書はIMRTなどだけではなく、
・治療計画を行う上で知っておくべきこと
についても解説されているため、IMRTをやっていなくとも読んでおいた方がいい一冊となっています。
詳説強度変調放射線治療 物理・技術的ガイドラインの詳細 [ 奥村雅彦 ]
これから放射線治療に携わる人へ
放射線治療は、照射以外にも業務がたくさんあるため覚えることもたくさんあります。
自分に合った教科書との出会いが、あなたを一歩も二歩も先へ導いてくれるはずです。
もし、今までの教科書や先輩からもらった教科書が合わなかったという人に対して少しでも力になれればと思います。
そして、職場で必要とされる医学物理士・放射線技師になりましょう。
コメント