医学物理士試験を受験するにあたって、難易度はどのくらいか気になる人も多いと思います。
結論から言うと、放射線技師が取得できる資格の中でトップレベルであるといえるでしょう。
では、なぜ難易度が高いのかという理由を他の資格と比較しながら解説していきたいと思います。
そもそも資格の難易度とは
資格の難易度とは何をもって比較するかというと以下の項目になります
まずは、当たり前のことですが合格率が低ければ低いほど難易度が高いといえます。
しかし、それだけでは資格の難易度は測れません。
もう一つ大事なものが受験資格です。
例えば、受験資格が特にないFPのような資格と、専門的な大学を卒業した人しか受験できない資格では同じ合格率でも後者の方が難易度が高くなります。
それも踏まえて、医学物理士の資格について考えていきたいと思います。
医学物理士試験の合格率
医学物理士試験の合格率は過去5年では下記のようになっています。
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2019 | 274人 | 84人 | 30.7% |
2018 | 276人 | 83人 | 30.1% |
2017 | 287人 | 91人 | 31.7% |
2016 | 329人 | 104人 | 31.6% |
2015 | 342人 | 107人 | 31.3% |
合格率は例年、3割程度となっています。
医学物理士試験は、何点取れば合格というものではなく上位3割に入らなければいけないことがこの結果からわかる。
それでもどの程度点数を取ればいいか知りたいという人は、下記の記事に実際に自分が合格した時の点数を記しているので参考までに
ちなみに他のモダリティの資格試験の合格率は下記の通りになります。
資格 | 合格率 |
第1種放射線取扱主任者 | 21.5% |
放射線治療専門放射線技師 | 48.6% |
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 | 53.6% |
X線CT認定技師 | 79.2% |
救急撮影技師 | 86.2% |
医学物理士試験の受験資格
受験資格は下記のように定められています。
日本医学物理学会の正会員で、次のいずれかを満たす者。
・機構認定の医学物理教育コースに1年以上在籍または修了した者
・理工学系修士以上の学位を有し(取得見込み含む)、医学物理士認定制度施行細則(以下「細則」)に定める業績評価点5単位以上を有する者
・放射線技術系修士以上の学位を有し(取得見込み含む)、細則に定める業績評価点5単位以上を有する者
・医学系研究科に設置された医学物理に関する課程の修士以上の学位を有し(取得見込み含む)、細則に定める業績評価点5単位以上を有する者
・学歴によらず医学物理の発展に寄与したと特に認められる者
特例措置として前項に加え、次のいずれかを満たす者。
・平成24年度までに理工学系学士の学位を取得し、医学における経験年数3年以上の者
・平成24年度までに放射線技術系学士の学位を取得し、医学における経験年数2年以上の者
・平成22年度までに診療放射線技師免許を取得し、医学における経験年数5年以上の者
・平成22年度までに、医師または歯科医師以外で医学または歯学博士の学位を取得し、医学における経験年数1年以上の者
上記を見たらわかるように、大学院を卒業し医学物理士試験に照準を合わせた人や臨床経験をある程度積んで、知識と経験が多い方のみ受験することが可能な試験です。
そのため、先ほど受験者の上位3割に入らなければ合格しないと書きましたが、それがどれほど難しいことか理解できたでしょうか。
難易度の高い医学物理士試験を合格するためには
医学物理士試験が難易度の高い試験だということは分かったと思いますが、どうすれば合格できるのかは以下の2点になります。
当たり前のことですが、以上の2点に限られます。
効率よく勉強する
まず、医学物理士試験は出題範囲がとてつもなく広いです。
放射線治療や核医学といった専門的なところから、統計学や法律まで。
第1種放射線取扱主任者試験よりも一回りも二回りも広いです。
そんな広い範囲を隅々までやっていてはいくら時間があっても足りませんし、キャパオーバーになってしまう可能性もあります。
下記の記事で、おすすめのテキストや教科書を紹介しているので、それだけを勉強すれば医学物理士試験を合格することは可能です。
取れる点はしっかり取る
一番大事なのはここです。
特に記述試験の時は、少しでも部分点をとれるようにわかるところは記述し、わからなくても関係しそうな内容を記述することで1点でも多く点数を取ることを心がけましょう。
また、マークシートでもよく出る過去問などの取りこぼしなどはないようにしましょう。
医学物理士の難易度は
今までのことを踏まえて、医学物理士試験は
といった面から考えて、トップレベルといえるでしょう。
しかし、しっかりと対策をして効率よく勉強すれば合格者の3割に入ることができるのであきらめずに頑張っていきましょう。
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