医学物理士試験対策~放射線計測学~ オススメ教科書もご紹介

医学物理士

放射線計測学は学生のころから苦手意識を持っている人も多いでしょう。

実際に医学物理士試験でも、覚えることが多いのとどのように調べていいか分からない問題も多く苦労していることと思います。

 

今回は、そんな人に向けて放射線計測学の試験対策とおススメの教科書も紹介していきます。

医学物理士試験合格に必要な勉強量・勉強法

この記事を読んでほしい人

・放射線計測学の対策をしたい人
・そもそも放射線計測学に苦手意識を持っている人
・計測学のオススメの教科書を知りたい人

重要度の概要

☆☆☆
試験に頻繁にでるもの。必ず覚えるべき

☆☆
1~2回程度出題されていて、覚えた方がよいもの


たまに出るもの。

重要度☆☆☆
・放射線と検出器について
・計測器について

 

重要度☆☆
・物理量と単位について
・検出器と相互作用について

 

重要度☆
・光電子増倍管について
・中性子の測定について

 

医学物理士試験の放射線計測学対策

 

重要度☆☆☆

 

放射線と検出器について

 

検出器 放射線
電離箱 β線、α線+γ線
GM計数管 β線、γ線
比例計数管 中性子線
ガスフロー型計数管 α線、β線
半導体検出器 α線、γ(X)線
CdTe or Na(Tl)検出器 γ線
ZnS(Ag)検出器 α線
プラスチック検出器 β線
TLD γ(X)線
蛍光ガラス γ(X)線、β線、中性子線
フィルムバッジ γ(X)線、β線、中性子線

 

計測器について

 

GM計数管

・有機ガスやハロゲンを使用し、分解することでガス増幅を抑える
・Qガス(He+イソブタン)を使用
・パルス高は一定のためエネルギー測定はできない
・分解時間は100μsと大きいため、高線量場では窒息現象に注意
・円筒端窓型は3Hのような低エネルギーβ線核種の測定は不可能
32P、60Coなどエネルギーの高い(~0.3MeV以上)のβ線の測定が対象

 

比例計数管

・放射線の測定だけでなく、エネルギー測定も可能
・充填ガスとしてアルゴン90%、メタン10%のPRガス
・ガスフロー型は測定試料自身を検出器の中に入れ測定
※α線、低エネルギーβ線、X線の測定に有効
・分解時間は数μs
・低い印加電圧→α線のみ、高い印加電圧→α線、β線の測定
・検出効率:2π型→50%、4π型→100%

半導体検出器

・固体の電離作用を利用
・エネルギー分解能が非常に良い
・方向依存性は電離箱より大きい
・線量率依存性も電離箱より大きい
・電子―正孔対を生成するのに必要なエネルギーをe値という。
(exゲルマニウムの場合2.96eV)

 

重要度☆☆

 

物理量と単位について

 

単位 単位
フルエンス m-2 放射線化学収量 molJ-1
フルエンス率 m-2s-1 W値 J
エネルギーフルエンス率 Jm-2s-1 カーマ Jkg-1=Gy
断面積 m2 衝突カーマ Jkg-1
線減弱係数 m-1 照射線量 Ckg-1
質量減弱係数 m2kg-1 吸収線量 Jkg-1
質量エネルギー転位係数 m2kg-1 シーマ Jkg-1
質量エネルギー吸収係数 m2kg-1 放射能 s-1
質量阻止能 J m2kg-1 壊変定数 s-1
線エネルギー付与(LET) J m-1(keV/μm) 空気カーマ率定数 m2Jkg-1
微分散乱断面積 m2sr-1

 

単位についてはここに記したものを覚えていれば十分点数は取れるから、頑張って暗記してみよう。

 

検出器と相互作用について

 

相互作用 検出器
電離 電離箱、比例計数管、GM計数管

半導体検出器

励起 シンチレータ
電子(正孔)捕獲 熱ルミネセンス線量計、蛍光ガラス線量計

OSL線量計

化学反応 フリッケ線量計、セシウム線量計
発熱 カロリメータ

 

 

重要度☆

 

光電子増倍管について

 

光電子増倍管

・光電効果により、光電子を放出しダイノードで増幅
・増幅率は104~105
・印加電圧が大きいほど増倍率は高い
・ダイノードの段数が大きいほど増倍率は高い
・暗電流は温度上昇に伴い増大
・ダイノードには仕事関数の小さいアルカリ金属が使われる
(exBeO、MgO、Cs3Sb etc)
・光電面の量子効率は入射光の波長に依存

中性子の測定について

 

・中性子は原子核のクーロン力の影響を受けず、直接相互作用する
3He、6Li、10Bを利用する検出器は熱中性子検出器として利用可能
235Uは熱中性子を吸収して核分裂を起こす
3He比例計数管は3He(n,p)反応を利用
・BF3比例計数管は10B(n,α)7Li反応を利用
・TOF法は中性子のエネルギースペクトルを求めることが出来る
・放射化法は中性子捕獲反応を利用

 

医学物理士試験の放射線計測学を学ぶときにお勧めの教科書

 

放射線計測学の教科書って、買っても高いのばかりだし内容も古いものが多くて何を見ればいいか分からない

 

今回おススメするのは

 

放射線計測学 (診療放射線基礎テキストシリーズ)


放射線計測学 (診療放射線基礎テキストシリーズ 4) [ 齋藤 秀敏 ]

 

こちらの教科書は発刊が2020年と新しく内容も最新のものであるので、今の医学物理士試験の内容にマッチした勉強ができる教科書です。

 

また、ほかの教科書と比較して3000円程度で買えるのでリーズナブルな点もうれしいね

 

章末には確認問題も充実しており、試験の予行連練習としても使えるのもメリットの一つです。

医学物理士試験でくじけそうになった時にできる対策法

医学物理士試験の放射線計測学につまずいてる人へ

 

計測学は自分も学生のころから苦手意識がある科目でした。

しかし、実際勉強してみると、要点を抑えて暗記していけば点数を稼ぐことが出来る科目です。

 

また、記述式にも計測学は出題されるため

 

放射線計測学 (診療放射線基礎テキストシリーズ)


放射線計測学 (診療放射線基礎テキストシリーズ 4) [ 齋藤 秀敏 ]

オススメした教科書みたいな一通り網羅されたテキストに目を通すのも推奨します。

 

オススメした教科書でしっかりと知識を付けていけば、マークシートの延長で記述式も点数を取れるので頑張っていきましょう。

 

医学物理士になろう 試験勉強から合格までの道のりまとめ

 

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